2010/7/29 木曜日

極上バラ物語 

Filed under: - instill @ 14:30

走るロマンチスト 佐藤です。

「宇宙からの声に耳を傾ける人は薔薇のささやきを聞く人でもあった」
 
こんな文が最後にくる文章に出会ったのは、


5年程前の夕刊の広告。

第20回かおり大賞銀賞 斎藤紅香『梅雨の薔薇』 
と題された一文は 

お香の松榮堂が開催している
「香り」についてのエッセーコンテストの入賞作品を
広告として夕刊に順次掲載しているものでした。

・・・東北から大学入学、上京。

大学から寮への帰り道、キャンパスに隣接している
電波研究所の庭で薔薇の香りに足を止めると、

そこは薔薇畑。 

「花は美しく、香りは甘く・・・」
「一本いただけませんか」 と思わず言った作者に、

笑顔で「もらってくれますか」
と花の間を歩いていた男性。

「ゴワゴワした茶色の紙に無造作にくるんで、
どさりと抱かせてくれた・・」

薔薇の主は、
 
「旧ソ連の初の女性飛行士であるテレシコワさんの
『ヤーチャイカ!』(私はカモメ!)
という宇宙からの発信を始めてキャッチした人」

中田美明博士と作者は後々知った。

色とりどりの薔薇 そしてその香り、

花束の重さと 包んでいる紙の感触。
作者の驚きととまどい、男性の笑顔。

後日博士のエピソードを知った時の豊かで
幸せな回想。

情景全てが映像となって目の前に広がるようでした。
いつかはこの薔薇畑を自分の目で見たい

そんな想いは突然実現。

先日、小金井の東京学芸大学から玉川上水に
向かおうと走って出ると、

お隣は広大な工場? えっ?
NiCT

そこはかつて「電波研究所」と呼ばれていた
ところだったのです!!

ここだったのかぁ~ 走っていてよかったぁ~ 

7月24日、施設一般公開日、
訪れてみたかったのは薔薇畑。

「博士の研究施設は壊され、別な建物が建ち
バラ畑もなくなっていると思う」 と

スタッフの方に教えていただいたまま
林を越えて運動場の向こう側。

目印は巨大なパラボラアンテナ
その付近が多分昔、博士の研究室のあったところ。

で、大学から寮への帰路だから道路に面している
はず。

ありました。

花の季節も終わっていましたが、
かわいいローズヒップの実をつけて

バラがそこに一本だけ、確かにいきていました。

贈られて喜ぶ、ささやかに買って楽しむものから

育てて、毎朝様子を見ては、
「バラが バラが」と一喜一憂するようになったのは、

思えば 『梅雨の薔薇』を読んでから。

極上の物語はこころの琴線にふれて、
行動に変化を起こさせますね。

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