「着衣のマハ」と40年ぶりの邂逅 (1)
先日「プラド美術館所蔵 ゴヤ展 光と影」を見に
上野の国立西洋美術館に行ってきました。
ゴヤの絵が特に大好きという訳ではないのですが、
この展覧会だけは、絶対に見逃せないというごく
個人的な理由がありました。
それは、
40年前の「ゴヤ展」にも足を運んでいたからです。
当時6歳だった私にとって、人生で初めて見た
美術展、それが「ゴヤ」でした。
子どもながらにも、カルロス4世や家族のきらびや
かな肖像画には、その豪華さに魅了されましたし、
「着衣のマハ」のふんわりとした柔らかでエキゾ
チックな衣装や微笑みには何ともいえずに引き
込まれ、
さらに、戦争によって犠牲になった民衆を描いた
版画には、その背景が分からずとも、画家の強烈
な怒りや悲しみをダイレクトに受け取っていました。
今回改めてその作品を見ると、今現在、作品と
相対して生まれる感情と、当時どのように感じて
いたか、がミックスされ、
何とも不思議な心持ちに包まれました。
1つ残念だったのは、6歳の私が生の作品を見て
衝撃を受けた2作品が今回日本に来ていなかった
ことです
1つは、「わが子を食らうサトゥルヌス」。
いうまでもなく、凄惨な絵です。
作品の大きさは、146x83cmとのことですが、
当時幼稚園生だった私の低い目線からは、
もっと大きななカンバスだと思っていました。
コワいながらもなぜか何度も見たくて、その後
美術図鑑を買ってもらいました。
そしてもう1つの作品は「カルロス4世の家族」。
一族の肖像ですが、どこかさびしげであり、また何か
それぞれの思惑がありあそうなこの家族の絵が、
幼い私にはとても気になったのでした。
★☆★
ところで昭和46年のゴヤ展には、両親、叔父叔母
に2人の従姉妹の計7人で行きました。
決して私の親族が決して美術に造詣が深い訳でも
何でもありませんでした。
何故家族ぐるみで美術展に行ったのか、これについて
は、長くなりますので、次回書きたいと思います。
2件のコメント »
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6歳の頃に見た絵を覚えているだなんて・・・!
何かしら、感性に訴える絵との出逢いだったんでしょうね。
素敵なエピソードをありがとうございました。
続きも楽しみにしています^^
コメント by 飯沼朋子 — 2012年1月24日 @ 10:22
>飯沼朋子さん
コメントありがとうございます!
それが鮮明に覚えているんですよね。
ゴヤの絵はただ美しいだけではない、
「影」や「闇」の部分があるので、
それが子どもの心の「怖いもの」
「異質なもの」に惹かれる気持ちを
刺激したのではないでしょうか。
次回は27日辺りに書こうと思います。
楽しみにして下さって嬉しいです♪
コメント by 松原@インスティル — 2012年1月24日 @ 19:00