「隠せない」なら「隠さない」ってどんだけぇ~
佐藤です。
6月26日日本経済新聞朝刊、シリーズ「ネットと文明」の記事に
「・・・ってどんだけぇ~」と思わずツッコミを入れてしまいました。
記事後半に違和感を覚えたからです。
少々長くなりますが、該当部分引用します。
===引用ここから===
きれいごとではない
スターバックスコーヒージャパンは一月、ホームページに
商品回収の「おわびとお願い」を掲載、新聞でも告知した。
都内の店舗で消費期限切れのケーキを販売したためだ。
売ったのはたったの二個。健康被害の訴えもない。それでも
同社は情報を公開した。きれいごとではない。期限切れに気づいた
購入者や正義感にかられた社員が、もしネットに情報を流したら・・・・。
「隠せない」という現実が、企業の行動原理を変えつつある。
===引用ここまで===
広報的観点からすれば、記事にあるように「隠せない」という事実に
重きを置いたのではなく、「ネガティブな情報も開示することによって
ポジティブな効果が得られる」ことに重きを置いて、
スターバックス社は「おわびとお願い」を掲載・告知したと思われるからです。
広報活動の対象 とは「お客様」や「株主」、
そしてマスコミ・メディアなどがすぐ思い浮かびやすいですが、
広報活動の対象で特に重要なのは、実は
社員及びその家族、その周辺の方々なのです。
なぜなら、成長性のある企業活動には、社員に情報を流し、
「経営方針を浸透させる」
「会社、組織への信頼感、安心感を与え、誇りを持って、高い
モチベーションで仕事をしてもらう」
ことが重要。
また、従業員家族に信頼感、安心感を与え、企業に親近感を
持ってもらうことは、その企業の強力なサポーターを増やすと
いうことだからです。
広報活動として企業自体が発信する広報資料よりも、こうした告知、
またそれが新聞などの媒体に掲載されることで広報効果は倍増
します。
この「おわびとお願い」でスターバックス社は、
☆社員に対する品質管理意識の強化
☆公正な会社で働いている誇り
☆「安心、安全、誠実」という企業イメージの浸透
という広報効果を得たわけです。
特に企業イメージについては、今回の食肉偽装のからみで
再度こうして一流紙の一面に掲載されたことにより、
想定外の広報効果を得たといえるでしょう。
「ネガティブな情報も開示することによってポジティブな効果が得られる」
まさに、「情けは人の為ならず」でなく「正直は人の為ならず」
企業の行動原理の鉄則ではないでしょうか。
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