マーケティング・ラウンジ　by 　インスティル » 競合の出店に遭ったスーパーが行った禁断の対抗策

2006/1/22 日曜日

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- instill @ 21:00

これは昨年12月のこと。
わが家から歩いて15分位の元某ビールメーカー工場の
跡地にショッピングセンターが出店しました。

もちろんキーテナントは、総合スーパーIです。

その出店を受けて、周りの食品スーパーも色々な対抗策
を打ち出していました。

例えば家から一番近い所にあるスーパーK。

以前10月31日の記事でも書いたように、効果が？と思われる
企画をしばしば組むお店でした。

このスーパーKが行った競合対抗策は、

「日曜日はポイント10倍セール！」。
今までは5倍でした。
これは最も実施はいけない企画の1つです。
何故ならただでさえ粗利益率が薄いのに、更にポイントを普段の
10倍につけ、経費が更に重くのしかかるような企画だからです。

それに賢いお客さまは、10倍セールの際に、お米、お酒といった
単価の高いものを買い、他の平日には買い控えるという現象が
おきます。

結局お客さまの買上点数は、1週間単位でみると全く
変わらず、ポイント10倍にした分だけ自ら利益率を下げています。

収支を把握していれば、分ることなのに、何故このような企画に
走るのでしょうか。

私が思うには、「ポイント10倍セール」は、最も知恵を絞らなくて
も思いつき、パソコンのキー操作1つで簡単に店で実行出来る
企画だからです。

これが品揃えの改善をしようとすると、商品を探すこと、取引先と
の商談、商品の改廃、棚の場所確保など、時間と労力がかかる
ものです。どんな商品を並べれば、お客さまの流出が食い止めら
れるのかという課題に対して頭に汗をかいて考えることも必要です。

本当は商品こそがお店の生命線なので、そのような事をやって
いただきたいのですが、やはりそこまで時間もない、人もいない。

とても残念なことです。

このポイント10倍セール、実施中も劇的にお客さまが日曜日に
増えることもなく、しばらくしたら自然消滅的に終了していました。

一体この結果はどうなったのでしょうか？最近は特にレジの
パートさんの活気もなくて心配な今日この頃です。

人間として、お店の人の気持ちとしてはすごーく分かるなあと思ってしまいました。
ついつい簡単で即効性が出るものに手が出がちですよね。
うちの近所のスーパーもポイント○倍とか、前はよくやってましたが、
最近あまりやらなくなってしまいました。
長期的には、収益性が悪くなってしまったのかも。

それにしても、このお店の今後が気になります。

コメント by puku — 2006年1月23日 @ 08:08
>pukuさん
毎度コメントをありがとうございます。そうなのです、簡単で
即効性の出るものをやりがちです。スーパーの粗利は平均で
22-24%とかなり低めなので、ポイントの倍増は自らの首を絞める
ことになるのですよね。

コメント by 松原@インスティル — 2006年1月23日 @ 20:30
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