2006/9/21 木曜日

「今日はタバコは?」 コンビニにCRMはホントに不要?

Filed under: - instill @ 11:00

近所のコンビニSには私と家人が「スーパー店員」と名付けた

知識も接客態度もバツグンなお兄さんがいます。

どんな宅急便の荷物を出そうと、ネットショップの受取り
手続きだろうと、

戸惑うことなく即座に、また丁寧に受け答えしながら対応
してくれる。

まさに店員さんの鑑。

はっきりいって、

オーナーさんよりもずっと仕事ができます(笑)。

昨日も切手を買いに近所のコンビニSに行った時のこと。
彼のすごさを目の当たりにする出来事に遭遇。

もう1人の店員さんが私の頼んだ切手を数えて袋に
入れている間、

私がレジ脇で待っていると、

そこに1人の男性客がレジへ精算にこられました。

年は50歳くらいでしょうか。

レジ台には、お弁当、おつまみ、飲料、雑誌などが置かれ
ました。どうも今晩の夕食のようです。

そのおじさんの接客にあたったのが例のスーパー店員くん。

「いらっしゃいませ!」と明るくあいさつの後、手際よく
商品のバーコードを読み取っていきます。

商品を全部読み取った後、スーパー店員くんがひと言、

「今日はタバコは?」

おじさんは無言で、ゆっくりと指を2本立てました。

「かしこまりました!!」

スーパー店員くんは、レジ後ろのカウンターから
「セーラム・ライト」を2箱持ってきてそれをスキャンして
レジ袋へ。

すごい!!彼はおじさんがいつも吸ってるタバコの銘柄を
記憶していたんですね。

これだけで、このおじさんの買い物金額(客単価)を640円分
上げたのもすごいですが。。。

そうやって自分の好みを憶えていてくれる店員さんに対し
おじさんはとてもうれしそうに袋を受け取っていたのが印象的
でした。

よくコンビニは一人になりたい空間だから、またコンビニの店員
さんに名前を覚えてもらうなんてうっとうしい、かえって迷惑という
声もあります。

会社がお客さまと長期的な関係を築くことで収益を上げる手法を
専門用語でCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
といいますが、

コンビニはCRM不要という声もあります。
私もそう思っていました。今までは。

ですが、この「セーラム・ライト」を渡す場面を見てからは

親切で、商品知識が豊富で感じのいい店員さんだったら、
自分の名前や好みを覚えてもらっても悪い気はしないかも、
という気持ちになりました。

もちろんお客さまの年代によっても感じ方が違ってくるでしょう。

どちらかといえば年代が上になるにつれて、店員さんとの会話を
求める気持ちや、自分の事をもっと知ってもらいたいう気持ちが
高まるのかもしれません。

でもここには確実に、お店の利益とお客さまの満足を両方満たした
やりとりが事実としてありました。

コンビニにCRMってこれからはアリなのかも・・・と思った長月の
夜でした。

顧客マーケティング、通販・POS分析のことなら 東京銀座 (株)インスティル
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6件のコメント

  1. わかります!!!

    うちの近所にも、とってもレジがすばやいだけでなく、
    温かな一言がある「スーパーコンビニ」があって、行く度に接客に感心してます。

    もっと便利な距離に、あとから1店出来たんだけど、そこは早々につぶれてしまいました。

    やっぱり、人のココロって、どんな仕事でも、あなどれませんよね。

    コメント by のり — 2006年9月21日 @ 16:45

  2. >のりさん
    コメントありがとうございます。
    そうなんですかー。人のココロが距離に
    勝ったということですね。
    温かな一言がどんな言葉だったのか
    こんど教えてください!

    コメント by 松原@インスティル — 2006年9月22日 @ 05:20

  3. うーむ。考えさせられますね。

    私たちの業界では、近年、価格競争(なんだか、さいきんこのハナシばかりしてますね…)が激しく、
    顧客のニーズに応じた税務会計サービスを提供するよりは、こちらのカタにハメてしまい、
    マニュアル化したサービスを提供しようという傾向があります。

    もちろん、ボランティアではないので、生き残りをかけて「マニュアル化」する同業者を否定はしませんが
    そもそも本来仕事って、創意工夫の喜びや、顧客に感謝される喜びがあるはず。。。
    そんなことを考えさせられました。

    コメント by kimutax@税金まにあ — 2006年9月23日 @ 08:19

  4. >kimutaxさん
    コメントありがとうございます。
    確かに価格競争だけでは、創意工夫やお客さまに
    よって生まれる喜びを感じにくい世界で生きること
    になりますよね。どちらの世界に生きることが自分
    は居心地がよくて納得できるか、トップの判断
    なのでしょうね。

    コメント by 松原@インスティル — 2006年9月24日 @ 21:34

  5. 松原さん、色々と御世話になっています。 コンビニにCRMが必要かどうか? これを実践してきたものにとっても、答えは「むづかしい」のですが。。。。。
    その前提となるPOS情報(ID無し)ですが、これは、スーパー業態に比べて、かなり、有効と判断できます。 何故ならば、購買行動の本質を探る上で、
    POS情報は「結果」情報で、原因を把握することはできません。でも、コンビニの顧客の特性として、購買したものを30分以内に消費する傾向があると共に、
    購買者が消費者(スーパーの顧客は世帯の購買代行者)である場合が多く、結果が原因に近い情報を提供してくれるからです。
    CRMについては、一度、じゅっくりと意見交換をしたいですね。

    コメント by VeryTerry — 2006年9月25日 @ 14:44

  6. >VeryTerryさん
    コメントありがとうございます!やはりコンビニの経営陣として
    ご活躍されていたVeryTerryさんでも答えは難しいのですね。
    前提になるPOS情報としてはより購買者=消費者である場合が
    多いので有効活用できるということですね。また近々CRMに
    ついて他業界の事例も含めて色々と勉強させて下さい。
    今後もプロのご意見お待ちしてます!

    コメント by 松原@インスティル — 2006年9月26日 @ 14:40

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