【2026年3月5日 東京発】
米国クアルトリクスの日本法人、クアルトリクス合同会社(本社:東京都千代田区、カントリーマネージャー:熊代 悟、以下 クアルトリクス)は、人事領域の現状と課題を把握するために日本で実施した「働く人の実態・意識調査*」を基に、近年多くの企業が注目する「ジョブ・クラフティング」に関する分析結果を発表しました。(*詳細については本リリース末尾参照)
「ジョブ・クラフティング」とは?
米イェール大学経営大学院のエイミー・レズネスキー准教授とミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授が2001年に提唱したジョブ・クラフティング(以下JCと略記)は、仕事に自分なりの工夫を加えることで面白さやりがいを感じながら働こうとするための概念です。JCは仕事の範囲や仕方を工夫する「タスク・クラフティング(タスクJC)」、周囲との人間関係を調整する「関係性クラフティング(関係性JC)」、仕事の意義を広い視点で捉え直す「認知的クラフティング(認知的JC)」の3つの形態に分類されます。
本分析では、JCの研究者である筑波大学ビジネスサイエンス系助教池田めぐみ氏と当社顧問市川幹人が考察を行い、JCの実践状況、JC実践者の属性・行動・意識面の特徴、エンゲージメントやウェルビーイングなどとの関係、JC促進のために検討すべき点などを取りまとめました。
回答者の半数強がJCを実践
日常業務において自分の仕事でJCを実践しているとした回答者は、3つのクラフティングを平均すると半数以上(55%)を占めました。特に、目の前の仕事に直結する「タスクJC」を実践している回答者が64%と、「関係性JC」や「認知的JC」よりも10ポイント以上高く、JCの中心的な取り組みとなっていることがわかりました。
権限・裁量が十分な管理職、仕事の柔軟性が高い職種がJCの実践に積極的
属性別には、役員や本部長・部長など上位の職位、経営企画やデザイナー、クリエイターなど、仕事のアウトプットが明確に定められない職種においてJC実践度が6〜7割程度となっています。権限や裁量を付与され、仕事を柔軟に調整しやすい立場にある人々が実践する傾向を示しています。
周囲との連携が多い人、多くの業務を抱える人もJCを実践する傾向
周囲と協力・連携して働く機会が多い人は、より良い人間関係を必要とし、自分の仕事の意義を見出すきっかけも得やすいため、JCに積極的であると推察されます。今回の調査では、他者との連携機会が多いとした回答者のJC実践度は実に87%でした。加えて、業務量が多いとする人々でもJC実践度は60%に達しています。多くのタスクを効率的にこなす必要がある状況でもJCは有効であると考えられます。
JC実践者は、学習意欲が高く、スキル・能力をフル活用しながら周囲と連携する傾向
本調査ではJCを実践する従業員の行動・意識面の特徴にも注目しました。調査結果からは、周囲と積極的にコミュニケーションをとって信頼関係を築き、困っている人を助けながら、高い生産性で働いているような姿が特徴として浮き彫りになりました。総じて、自分の仕事に対してポジティブに向き合い、効果的な働き方をしていることを示唆する結果といえます。
JCを積極的に実践する人々のエンゲージメントやウェルビーイングは消極的な人々の約5倍
JCによって期待できる効果として、エンゲージメントやウェルビーイングに繋がる可能性を指摘できます。今回の調査結果においては、JCを積極的に実践している回答者と消極的な回答者では、エンゲージメントやウェルビーイングのスコア差が約5倍にも達しています。同様に、JCの実践がスキル・能力を発揮することや成長の機会を実感することにも関係する傾向も確認されました。
JCの促進に向けては適所適材、権限・裁量の付与、オープン・コミュニケーションなどが有効
最後に、JCの促進要因や阻害要因になり得るテーマをみていきます。前述のJC3設問に対する回答との相関が特に高い設問に注目しました。「タスクJC」「関係性JC」「認知的JC」に共通して、適材適所や個人の尊重との相関が強く表れているのは当然のことと考えられますが、実は3つのJCそれぞれに特徴的な項目があります。「タスクJC」については「権限・裁量」、「関係性JC」は「オープン・コミュニケーション」、「認知的JC」は「自社の社会貢献」などと強く相関しています。
こうした考察から、企業としては、従業員の意見を尊重しながら配置・業務分担を慎重に行い、裁量の余地を認めて従業員の仕事に対する熱意を高めることがJC促進に有効といえます。同様に、風通しの良い組織風土の醸成や、社会に貢献する企業の姿勢もプラスに寄与すると考えられます。
筑波大学ビジネスサイエンス系 助教 池田めぐみ氏のコメント
「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、目の前の仕事がつまらない状況では、エンゲージメントを高めるのも、高い成果を上げるのも容易ではありません。本調査が示すように、JCは仕事を「やらされるもの」から「楽しめるもの」や「意味のあるもの」へと変えるのに有効な手段です。JCは、職場で“伝染”しやすい行動でもあります。上司や同僚が実践している職場ほど、メンバーも自然と仕事を工夫するようになり、仕事を楽しんで取り組めるのです。従業員のエンゲージメントやリテンションに課題を感じている職場こそ、まずはJCを通じて、一人ひとりの仕事を個々人にとってより価値あるものにしていけると良いでしょう。
クアルトリクス合同会社 顧問 市川幹人のコメント
エンゲージメント調査の結果を踏まえて課題を抽出し、アクションを実行していながらも、スコア自体がなかなか上昇しない状況に悩んでいる企業が少なくないように思います。さまざまな施策が効果を発揮するには、従業員が担当業務に対して興味や関心を抱いていることが大前提ではないでしょうか。JCは仕事に自分なりの工夫を加えることで、つまらない仕事を面白い仕事に変えていく起爆剤になる可能性を秘めています。働くことに対する価値観が多様化する時代においても、従業員が熱意を持って仕事に取り組むためのヒントとして、多くの企業で試してみていただきたいと思います。
*「働く人の実態・意識調査」概要
実施期間:2025年6月17日〜18日
調査概要:日本の就労者(性別・年代別で労働人口分布に沿って割付け)を対象に、エンゲージメントなど人事領域全般に関連する設問で構成されたインターネット調査(株式会社モニタスのパネルを使用)
有効回答:4,040人
*今回の「ジョブ・クラフティング」の調査結果は、2025年11月10日にクアルトリクスが開催したイベント「Qualtrics EX Conference 2025」において、ゲストスピーカーの筑波大学助教池田めぐみ氏と当社市川幹人の対談でも紹介されました。 調査のサマリーレポートはこちらからダウンロードいただけます。
【クアルトリクスについて】
クアルトリクスは、エクスペリエンス管理(XM)カテゴリーのリーダーおよびクリエイターです。クラウドネイティブのソフトウェアプラットフォームを通じて、組織が卓越したエクスペリエンスを提供し、顧客や従業員とより深い関係を構築できるよう支援します。クアルトリクスが提供するインサイトを活用することで、組織はビジネスの最大の問題点を特定し、それを解決し、優れた人材を確保してそのエンゲージメントを高め、適切な商品やサービスを市場に投入することが可能になります。全世界で約20,000社ものお客様がクアルトリクスの高度なAIを活用して、人々の声を集め、分析し、それをもとにアクションを起こしています。また、膨大な体験データに基づいた、人間の感情についての世界最大規模のデータベースも構築しています。クアルトリクスの本社は、米国ユタ州プロボとシアトルの2カ所にあります。詳しくは、qualtrics.comをご覧ください。
【クアルトリクス合同会社について】
クアルトリクス合同会社(所在地:東京都千代田区丸の内1丁目5ー1 新丸の内ビルディング 37F、代表者:熊代 悟)は、2018年に国内で事業を開始した、Qualtrics LLC(本社: 米国ユタ州プロボ)が100%出資する日本法人です。日本におけるクアルトリクス 製品の販売・サポート・導入支援を提供しています。
URL :www.qualtrics.com/jp/
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