中岡望の目からウロコのアメリカ

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2011/10/30 日曜日

アメリカの宗教事情:減少する主流派プロテスタント、台頭するエバンジェリカルとカトリック教徒

Filed under: - nakaoka @ 22:32

アメリカはプロテスタントの国です。宗教的弾圧を逃れて欧州大陸から宗教的自由を求めてピューリタンがアメリカ大陸にやってきました。人口の圧倒的多数はプロテスタントが占めています。しかし、そうした宗教の情勢に大きな変化が起っています。主流派プロテスタントは長期的な低落傾向にあり、非主流派のエバンジェリカル(福音派)の勢力が伸び、同時にカトリック教徒もその数を増やしています。アメリカの宗教に何が起っているのか。アメリカの政治を理解するには、宗教を知らねばなりません。それが将来のアメリカの政治にどのような影響を及ぼすのか、調べてみました。 (続きを読む…)

2011/8/2 火曜日

債務上限引き上げを巡る”チキン・ゲーム”:アメリカは本当に赤字削減できるのか

Filed under: - nakaoka @ 13:07

アメリカの債務限度額引き上げを巡る民主党と共和党の対立は一応終結をみました。両党とも財政赤字削減では意見は一致していましたが、具体的な案を巡って意見が分かれていました。オバマ大統領と民主党は増税と歳出削減を組み合わせることを主張したのに対して、共和党は増税は認めないとの立場を取り、同時に憲法を修正して財政均衡修正条項を求めていました。土壇場での妥結ですが、予定されたものだったと思います。債務不履行をいうリスクを犯してまで、債務限度額引き上げを拒否する理由はないからです。ただ、これを人質に取ることと、お互いの立場を主張しあうことで、民主党はリベラル派を、共和党はティーパーティ議員を納得させる必要があったのでしょう。議会では両党とも離反者が出るでしょうが、とにかく財政赤字削減への道筋を付けたことになります。ただ、これが実際に実現できるかどうかは別物です。また景気への影響も懸念されます。以下、この問題の背景と合意内容などを整理しました。 (続きを読む…)

2011/7/28 木曜日

崩れゆく”アメリカン・ドリーム”-限界に来た所得格差

Filed under: - nakaoka @ 0:22

最近、元アメリカ政府の高官だった友人夫婦と会食をする機会がありました。アメリカの団体の日本代表として日本に住んでおり、年に何度も帰国するとのことでした。そして彼は「アメリカに帰るたびに社会的な状況が悪くなっている」と語っていました。そして、「できるだけ日本にいるつもりだ」とも言っていました。確かにアメリカ経済の状況はあまり改善していません。社会的な問題も山積しています。国債発行限度額引き上げを巡る党派の争いは、ひどいものです。かつてのような輝きをアメリカ社会は失いつつあるようです。今回は崩れつつある“アメリカン・ドリーム”について説明します。 (続きを読む…)

2011/7/22 金曜日

ささやかなる宗教的雑感:カルヴァン著『真のキリスト教的生活』を読んで

Filed under: - nakaoka @ 0:21

睡眠不足の日が続いていますが、今日は久しぶりに朝寝をしました。お昼前に『選択』の編集者の電話で目が覚めました。来週月曜締め切りで、アメリカの「宗教と政治」の問題を書いて欲しいとの依頼でした。前々から興味あるテーマで、アメリカの宗教関連の本を買いあさっていました。現在のアメリカ政治の中で保守派のエバンジェリカルは政治的に大きな影響を発揮しており、その存在を無視してアメリカ政治を議論できません。大学の授業でも「宗教的観点を踏まえて分析しないとアメリカの政治と社会は理解できない」と教えています。本ブログでは私的なことは極力書かないことにしていましたが、ささやかな我が宗教的な感想を書いて見る気になりました。私は無神論者ですが、宗教を否定するものではありません。世俗的な宗派は拒否しますが、人には“宗教心”はあると思っています。本論に入る前に、まず『中央公論』8月号別冊(「日本経済の生存力」)に「世界経済の暗雲・オバマ・アメリカの挫折」と題する長い記事を寄稿しました。ぜひお読みください。中央公論のサイト(http://www.chuokoron.jp/2011/07/post_89.html)を参照してください。 (続きを読む…)

2011/7/20 水曜日

6冊の本の書評:書評は知的チャレンジである

Filed under: - nakaoka @ 2:48

最近、書評を書く機会が増えています。主に英語の書籍ばかりを読んでいたのですが、このところは翻訳本を読むことが多くなっています。書評は単に本の紹介に留まらず、評者の意見や解釈も反映してきます。じっくり読む機会が減っているので、書評は良い知的な挑戦になっています。ここで取り上げたのは『週刊東洋経済』の書評欄に書いたものです。ブッシュ全体頭領の『決断のとき』、ワイマールのインフレを詳細に描いた『ハイパーインフレの悪夢』、ポールソン前財務長官の『ポールソン回顧録』、アメリカの宗教問題を取り扱った『神と人種』、中国型の開発理論とネオリベラル型の市場理論を比較した『自由市場の終焉』、『国家は破綻する』の6冊を取り上げます。 (続きを読む…)

2011/7/19 火曜日

米国の労働組合運動の最新事情:保守化の逆風に晒される労組

Filed under: - nakaoka @ 1:40

アメリカの保守化は政治や経済、社会に留まりません。労働組合運動も激しい保守化に直面しています。ニューディール政策でアメリカの堂々組合運動は大きく前進しました。1935年に会社の労働組合運動への干渉を禁止したワグナー法が成立し、国家労働関係委員会(National Labor Relations Board)が設置され、労働者の権利は守られるようになりました。ただ、戦後、1947年にワグナー法を改正するタフト・ハートレイ法(Taft-Hartley Act)が成立し、組合の権限を制限する労働権(the right to work)が成立し、ニューディール政策の揺り戻しがありました。企業はクローズド・ショップを採用している北部諸州から、オープン・ショップ(労働権)を求めている州に工場を移してきました。最近の保守派の労働組合攻撃は公務員の団体交渉権に向けられています。こうした動きに対して、リベラル派は自由に組合を結成できる「従業員自由選択法(Employee Free Choice)」を提出して抵抗しています。ボーイング社が工場を労働権を認める州に移転することを巡って、論争が起っています。 (続きを読む…)

2011/7/17 日曜日

フランクリン・ルーズベルト大統領に見る政治家の指導力

Filed under: - nakaoka @ 0:11

人の本当の能力は、危機に直面したときに初めて試され、評価できるものである。特にそれは政治家についていえる。現在、日米は大きな危機に直面している。両国の菅直人首相、オバマ大統領ともに指導者としての能力を十分に発揮しているとは言い難い。危機に際して国民に明確な方向性を示し、大胆な政策とビジョンで国家を救ったのは、フランクリン・ルーズベルト大統領である。大恐慌に際して、どのような指導力を発揮したか見てみよう。 (続きを読む…)

2011/7/16 土曜日

ティーパーティ運動の影のスポンサー、コーク兄弟

Filed under: - nakaoka @ 23:57

アメリカの保守主義運動の背景に大富豪が存在している。コーク兄弟(Koch)である。彼らはリバタリアン(市場至上主義者)だが、コーク・インダストリーという巨大コングロマリットを支配し、膨大な資金を背景にティーパーティ運動の影のスポンサーになっている。その本当の姿は秘密にされてきた。以下、同兄弟の実像を紹介する。 (続きを読む…)

やがてアメリカはヒスパニック系が多数派に:国勢調査分析

Filed under: - nakaoka @ 23:46

遠からずアメリカの白人は少数派に転落すると予想されている。そうした予想を裏付けるような調査結果が発表されている。アメリカでは10年に1度、大掛かりない国勢調査が行われている。2010年に行われた調査結果によれば、ヒスパニック系アメリカ人が急増している実態が明らかになった。アメリカは先進国の中では珍しいほど人口増加率の高い国である。たとえば、1990年から2000年の間に人口は13.2%(3270万人)増加している。2000年から2010年の10年間では伸び率は9.7%(2730万人)とやや増加率は鈍化したものの、大きな伸びを示していることに変わりはない。 (続きを読む…)

2011/4/6 水曜日

2012年大統領選挙分析:共和党候補にダークホース登場も

Filed under: - nakaoka @ 15:14

2012年の大統領選挙に向け、共和党の大統領候補選びが本格的に始まった。オバマ大統領の支持率はやや持ち直し傾向にあるとはいえ、依然としてかつてのような勢いはない。4月5日に行われたラスムーセン社の調査ではオバマ大統領の支持率(strongly support)はわずか24%と不支持率(strongly disapproval)は40%と、不支持率が大きく支持率を上回っている。同じくラスムーセン社が行った政党支持率調査では、共和党支持が44%、民主党支持が39%と民主党に厳しい結果がでている。次回の大統領選挙は、共和党にとって政権奪回の絶好のチャンスであることは間違いない。オバマ大統領は正式に再選出馬を発表した。焦点は共和党の対立候補が誰になるかである。以下、共和党の予備選挙に向けての候補者と見られている政治家の動向を分析する。 (続きを読む…)