アメリカの金融規制の動向が注目を浴びています。1月21日、オバマ大統領は金融規制に関する発表を行いました。その中で、大統領は「経済回復諮問委員会」のメンバー二人と生産的な会合を行ったと断った上で、新たな金融規制を提案しました。二人の委員とは、ポール・ボルカー元FRB(連邦準備制度理事会)議長とビル・ドナルドソン元SEC(証券取引委員会)委員長です。この記者会見で発表した規制案は、元もとボルカー元議長が主張していたものです。そのため、オバマ大統領が新たに発表した案は「ボルカー・ルール」と呼ばれています。今回はアメリカの金融規制法案の審議状況と法案の内容を紹介します。最近のメディアの焦点は「ボルカー・ルール」に当てられていますが、金融法案は昨年の春に財務省案が提案され、議会で審議が続いていました。そして、昨年12月11日に下院案が可決され、同法案は上院に回されています。「ボルカー・ルール」は必ずしも銀行規制全体をカバーしているわけではありません。金融規制全体を理解するには、議会で審議されている法案を見てみる必要があります。以下では、まずオバマ大統領の金融規制に関する基本的な考えを紹介します。そして下院で成立した金融規制法案の内容を紹介し、さらに「ボルカー・ルール」の内容を説明することにします。最後に金融法案の行方と「ボルカー・ルール」の内容を検討してみます。 (more…)