中岡望の目からウロコのアメリカ

2004/11/9 火曜日

閑話休題:ヒラリー・クリントンの野望

Filed under: - nakaoka @ 15:00

「ブッシュ・ドクトリン」だ、「ネオコン」だと、堅いテーマで、あまり楽しんでいただけなかったかもしれません。そこで、ちょっと休憩。今、ネットで売り出されている面白いものに”ヒラリー・グッズ”なるものがあります。ヒラリーとは、もちろん、ヒラリー・クリントンのことです。ケリーが大統領選挙に敗北したときに、アメリカのメディアはいっせいに「誰が勝者か、誰が敗者か」という記事を掲載しました。勝者として最初に名前が挙がったのが、ヒラリー・クリントンです。なぜなら、もしケリーが大統領に当選したら、2008年の大統領選挙で再選を求めて出馬するのは間違いありません。となると、かりにヒラリー・クリントンが大統領選挙に立候補するにしても、2012年まで待たなければならないからです。これから8年待つのは、やや長い感じがします。

では、ヒラリー・クリントンは2008年に大統領選挙に立候補するのか?それに答えるまえに、ヒラリー・グッズを紹介します。「Hillary 2008 campain button」は10個で10ドル50セントで売られています。「Hillary Clinton for Presidnet」と書かれたステッカーは、4ドル99セントで売られています。そのほか、「Hillary 2008」と書かれたマグネット、「Hillary Clinton for President 2008」と書かれた犬に着せるTシャツ、「Hillary 2008」と書かれた野球ジャージ、「Hillary in ’08」と書かれたポスターなどが売り出され、売れ行き好調とか・・・・。政治を商売やジョーク、楽しみにしてしまうのは、アメリカ人の良き気質でしょう。

で、ヒラリーは立候補するのか?4年先のこと、どんな予想も可能です。そこで、今日、右翼系のメディアMaxNewsが報道した記事を紹介しましょう。そのタイトルは「Hillary Friends: Presidential Bid Has Started」(ヒラリーの友人の言葉:2008年の大統領候補指名運動は始まった)というものです。同記事は、ヒラリー・クリントンに近い筋が、ケリー候補が敗北宣言をしているさなかに、ヒラリー・クリントンは民主党大統領候補の指名を得るためのグランドワークを始めたと語ったと報じています。具体的には、資金集めのチームを組織し、有権者リストの作成を始め、選挙アジェンダ(課題)の作成に取り組み始めたということです。ケリーの敗北、議会での民主党の敗北で、民主党は混乱に陥っています。民主党の中には、彼女に対する感情的な反発もありますが、同時に分裂した民主党をまとめることができる限られた指導者の一人であるとの指摘もあります。

ただ、2008年はヒラリー・クリントンの上院議員の任期が切れ、再選を目指す年でもあり、ニューヨークの彼女の支持基盤は必ずしもヒラリーの大統領選挙出馬を支持していないようです。彼女は、上院選挙で再選の目処を固めてから、民主党の大統領指名選挙への出馬を明らかにするのではないかと見られています。ヒラリーは現在、57歳です。全国的な知名度があり、資金集めの基盤を既に持っているうえ、国民の中には「女性の大統領」を望む声もあります。政治の世界で4年先を予想するのは無謀に近いですが、当分”ヒラリー・グッズ”は売れ続けることは間違いないでしょう。

12月2日追記:
ヒラリー・クリントンが2008年の大統領選挙に備えて資金集めを始めました。資金集めの責任者にAnn Lewisを採用したのです。同女史は長年、民主党の戦略家でした。選挙本部をワシントンのKストリートとコネチカット・ストリートに置き、本格的な選挙運動体制をとりつつあると伝えられています。ただ、Ann Lewisは「2006年の上院議員選挙を支援するのが目的」と語っていますが、それは建前であるとの見方が一般的です。2006年の改選は、あくまで2008年の大統領選挙を視野に入れたものであることは間違いないでしょう。

この投稿には、まだコメントが付いていません

このコメントのRSS
この投稿へのトラックバック URI
http://www.redcruise.com/nakaoka/wp-trackback.php?p=23

現在、コメントフォームは閉鎖中です。