2000年と2004年の大統領選挙での宗教票の動向
昨年、あれほど盛り上がった大統領選挙もなんだか遠い昔のような気がします。次から次に起こる大事件で、いろいろなことがあっという間に歴史の中に消えてしまいます。2004年の大統領選挙では宗教票が選挙結果に大きな影響を与えたと言われています。少し古いデータ(12月6日調査)ですが、「資料」という意味を含めてアメリカの大手世論調査機関「The Pew Research Center」の調査結果を記しておきます。
2000年の大統領選挙(出口調査) 2004年の大統領選挙(出口調査)
全体の主教票の合計
ブッシュ(48%) ゴア(48%) ブッシュ(51%) ケリー(48%)
プロテスタント全体
ブッシュ(56%) ゴア(42%) ブッシュ(59%) ケリー(40%)
白人プロテスタント
ブッシュ(62%) ゴア(35%) ブッシュ(67%) ケリー(33%)
そのうちのエバンジェリカル
ブッシュ(68%) ゴア(30%) ブッシュ(78%) ケリー(21%)
そのうちの主流派プロテスタント
ブッシュ(53%) ゴア(43%) ブッシュ(55%) ケリー(45%)
カトリック教徒全体
ブッシュ(47%) ゴア(50%) ブッシュ(52%) ケリー(47%)
白人で非ヒスパニックのカトリック教徒
ブッシュ(52%) ゴア(45%) ブッシュ(56%) ケリー(43%)
ヒスパニックのカトリック教徒
ブッシュ(33%) ゴア(65%) ブッシュ(39%) ケリー(58%)
黒人のプロテスタント
ブッシュ(7%) ゴア(91%) ブッシュ(13%) ケリー(86%)
ユダヤ教徒
ブッシュ(19%) ゴア(79%) ブッシュ(25%) ケリー(74%)
その他の宗教
ブッシュ(28%) ゴア(62%) ブッシュ(23%) ケリー(74%)
無宗教
ブッシュ(30%) ゴア(71%) ブッシュ(31%) ケリー(67%)
何万の言葉を連ねるよりも、統計数字がより適格に事実を語ることがあります。いずれの宗教も、ブッシュへの投票率が増えています。宗教票の動向をみると、なぜブッシュが勝利し、ケリーが苦渋を嘗めたか良く理解できると思います。では、それはなぜ、それが可能だったのかを理解するには、もっと詳細な分析が必要です。本ブログの各所で関連する分析を行なっています。その中で「大統領選挙前に読む記事:政治と宗教」「アメリカの保守主義をどう理解すべきか」「オハイオ州はそれでも、なぜブッシュを選んだのか」と題する3つのブログと、このデータを合わせて読んでください。統計数字の背後にあるアメリカ社会のイメージがより鮮明に浮かびあがるでしょう。
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