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2024年08月22日
ラムリサーチ

ラムリサーチ、AI時代の3D NANDの高密度化を加速するLam Cryo™ 3.0極低温エッチング技術を発表

2030年に1000層の3D NANDを目指すメモリメーカーの重要な課題に、量産実証済みの革新的な技術で対応

ラムリサーチ(Lam Research Corp., Nasdaq: LRCX)は、極低温絶縁膜エッチング技術の第3世代であるLam Cryo™ 3.0を発表しました。この技術はすでに量産現場に適応されており、3D NANDフラッシュ・メモリ・エッチングにおけるラムリサーチのリーダーシップをさらに強化するものです。生成人工知能(AI)の普及により、より大容量かつ高性能なメモリへの需要が高まる中、将来の最先端3D NANDの製造に不可欠なドライエッチング性能をLam Cryo 3.0は提供します。Lam Cryo 3.0は極低温、高パワーのコンファイン(閉じ込め)プラズマリアクター、そして表面化学のイノベーションを活用し、業界をリードする精度とプロファイル制御を兼ね備えるドライエッチング技術です。

「Lam Cryo 3.0は、1000層3D NANDへの道を開きます」と、ラムリサーチのグローバル製品グループ担当シニア・バイスプレジデントであるSesha Varadarajanは述べています。「すでに500万枚のウェハがLamの極低温ドライエッチング技術を使用して製造されています。当社の最新技術は3D NAND製造において画期的なものです。オングストロームレベルの精度で高アスペクト比(HAR)形状を形成する一方で、環境への影響を低減し、従来の絶縁体プロセスの2倍以上のエッチング速度を実現します。Lam Cryo 3.0は、AI時代におけるNAND製造の重要なハードルを克服するためにお客様が必要とするドライエッチング技術です」

今日まで3D NANDは主に狭く深いHARメモリチャネルをエッチング処理することにより達成される、メモリセルの垂直方向への積層により発展を遂げてきました。この工程では目標の加工形状からの原子レベルのわずかなずれでもデバイスの電気特性に悪影響を及ぼし、歩留まりを低下させる可能性があります。Lam Cryo 3.0は高密度化に伴うこうした課題や、その他のドライエッチングの課題に対処するために最適化されています。

「AIはクラウドとエッジコンピューティングの両方で、フラッシュメモリの容量と性能に関して飛躍的な需要を引き起こしています。NANDフラッシュの高密度化を迫られる半導体メーカーは2030年末までに1000層の3D NANDを実現する必要があります」とCounterpoint Researchの共同設立者兼リサーチ担当バイスプレジデントのNeil Shah氏は述べています。「Lam Cryo 3.0の極低温ドライエッチング技術は従来の加工技術を大きく飛躍させるものです。Hole径の50倍以上の深さのメモリチャネルを、ほぼ完璧な精度と制御でエッチングし、0.1%未満のHole径偏差を達成します。この画期的な技術により最先端3D NANDの歩留まりと全体的な性能を大幅に向上させる事で、半導体メーカーはAI時代を有利に戦えるようになります」

業界最先端の極低温ドライエッチング技術
Lam Cryo 3.0は独自の高パワーコンファイン(閉じ込め)プラズマリアクター、プロセス技術改善、そして0oCをはるかに下回る温度を活用することで、斬新なエッチングケミストリの利用を可能にしています。Lamの最新Vantex®絶縁体加工システムの拡充されたパルスプラズマ技術と組み合わせることでエッチング深さとプロファイル制御性が大幅に向上します。Lam Cryo 3.0技術を使用することで3D NANDメーカーは、最大10ミクロンの深さのメモリチャネルを上層から下層までHole径の0.1%未満の偏差*でエッチングすることができます。

その他、以下のような注目点があります。

  • 卓越した生産性: 従来の絶縁体プロセスと比較して、Lam Cryo 3.0は2.5倍のエッチング速度と、より良いウェハ間再現性を備えるため、3D NANDメーカーは低コストで高い歩留まりを達成できます。
  • より高い持続可能性: Lam Cryoは従来のエッチプロセスと比較して、ウェハ1枚あたりのエネルギー消費量を40%削減し、CO2排出量を最大90%削減します。
  • 装置投資効率の最大化: 最適なプロファイル制御と最速かつ最深の絶縁体エッチング性能を提供するために、Lam Cryo 3.0はLam最新のVantexシステムに搭載可能です。また、3D NANDの量産ですべての主要メモリメーカーが使用するFlex® HAR絶縁体エッチャー製品ポートフォリオとも互換性があります。

最先端の3D NAND絶縁体エッチング
Lam Cryo 3.0は7世代にわたる3D NANDを含むウェハ製造向けドライエッチング技術におけるLamの20年にわたるリーダーシップをさらに拡大します。Lamは2019年に世界初の極低温ドライエッチング技術を量産に導入しました。現在、NAND製造に使用されている7500台以上のLam HAR絶縁体エッチングチャンバーのうち1000台近くが極低温エッチング技術を使用しています。

Lam Cryo 3.0は現在、主要メモリメーカーに提供されています。これは、3D NAND製造のためのドライエッチング、成膜、クリーンソリューションのLamの広範なポートフォリオに最近追加されたものです。Lam Cryo 3.0の詳細については、https://www.lamresearch.com/ja/products/our-solutions/cryogenic-etching/をご覧ください。

メディア・リソース:

  • Lamニュースルーム メディアセンター: Lam Cryo 3.0の画像およびプレス資料
  • Counterpoint Research提供ホワイトペーパー: AI時代に1,000層3D NANDを実現する方法
  • Lamブログ: Lam Cryo 3.0: What You Need to Know

    ラムリサーチについて
    ラムリサーチ社は、革新的なウェハ製造装置とサービスを半導体産業に提供するグローバル・サプライヤーです。ラムリサーチの機器とサービスにより、お客様はより小型で性能の良いデバイスを製造することができます。実際、今日のほとんどすべての先進的な半導体は、ラムリサーチの技術で作られています。当社は、優れたシステムエンジニアリング、技術的リーダーシップ、価値観に基づく強力な文化、そして顧客に対する揺るぎないコミットメントを兼ね備えています。Lam Research(Nasdaq: LRCX)はカリフォルニア州フリーモントに本社を置き、世界各地で事業を展開するFORTUNE 500®企業です。詳細は www.lamresearch.comをご覧ください。

    * プロファイル偏差は、最大寸法から最小寸法を引いたものをメモリチャネル深さで割った値です。

    ** 出典 Lam Research。Lam Cryo 3.0で可能な新しいエッチングケミストリに基づく。ウェハ1枚当たりのKg CO2排出で90%削減。IPPC(気候変動に関する政府間パネル)の温室効果ガスインベントリガイドラインに基づいて算出された推定排出削減量。この推定削減量は独自に検証されたものではありません。

    将来の見通しに関する記述についての注意
    このプレスリリースに記載されている記述のうち、歴史的事実でないものは、将来の見通しに関する記述であり、1995年米国私募証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)が定める免責条項の対象となります。このような将来の見通しに関する記述は、以下に関係するものですが、それらに限定されるものではありません。市場、業界、業界セグメントの期待、当社の技術や製品を使用することによる製品の性能と顧客への利益、当社の技術や製品を使用することで実現する排出量とエネルギーの節約。これらの将来の見通しに関する記述に影響を与えうる要因には、以下のようなものがあります。貿易条例、輸出規制、貿易紛争及びその他の地政学的緊張は当社製品の販売能力を阻害するかもしれません。家電業界、半導体業界及び経済全体の事業、政治及び/又は規制の状況は悪化又は変化するかもしれません。顧客や競合他社の行動が当社の予想と異なる可能性があります。サプライチェーンのコスト上昇及びその他のインフレ圧力は当社の収益性に影響を与え、今後も影響を与える見込みです。サプライチェーンの混乱や製造能力の制約により、当社製品の製造・販売能力が制限される可能性があります。天災および人災、疾病の発生、戦争、テロ行為、政治的・政府的な不安や不安定さ、その他当社がコントロールできない事象が発生した場合、影響を受けた地域における当社の事業および収益に影響を与える可能性があります。ならびに、当社が証券取引委員会に提出または提供した文書に記載されているその他のリスクおよび不確実性です。とりわけ、2023年6月25日に終了した会計年度の様式10-Kによる年次報告書および2024年3月31日に終了した会計四半期の様式10-Qによる四半期報告書に記載されているリスク要因を含みます。これらの不確実性や変化は、将来の見通しに関する記述に重大な影響を与え、実際の結果が期待と大きく異なる原因となる可能性があります。Lamは、本リリースに記載された情報や記述を更新する義務を負いません。

    ※本資料は、米ラムリサーチが2024年7月31日に発表したプレスリリースの和訳版です。
    ※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。



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