レッドクルーズの保延(ほのべ)です。こんにちは。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)って聞いたことありますか?その名の通り「まっくらな空間での対話」のことで、日常生活のさまざまな環境を、聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って体験するというワークショップ形式の展覧会です。とても貴重な体験ができるのでここでレポートします。
まっくらな空間をつえを使いながら、人との触れ合い、小川のせせらぎの音、森林の香り、ひんやりした空気などをすがすがしく感じながら、歩いていきます。そうか、視覚がない、目の不自由な人はこういう感覚なのだなと思いながらさまよいます。たった1時間という短い時間ですが、実は思わぬ発見があるのです。
終わってみると、これまで目の不自由な人に対してもっていた心のバリアーがすっかり取り除かれているのです。それまでは、目が不自由な人をみかけたり会ったりすると、どのように接したらいいのかよくわからず一歩引く感じがあったのですが、そういった距離が一気に縮まった思いでした。
実際、つえを持って歩くと、想像していたほどには歩行は困難ではなかったし、暗闇でのビールはワインのごとく香り豊かに感じられました(うーん、それにしてもとても濃くて美味しかった。いったい、何のビールだったのでしょう?)。視覚がない分、聴覚や触覚、味覚、嗅覚が研ぎ澄まされるからでしょう。暗闇のなかでも、人として思うこと考えることは、基本的なところはまったく同じであることもわかり、目の不自由な人にとってみると変に特別扱いされるのはかなり違和感があるのではないかと、すぐに気付きました。
人は、自分と異なる国、民族、境遇など、自分の知らない世界にいる人に対して、無意識に心のバリアーを張ってしまっているのですね。そして正面から向き合うのが難しくしてしまっている。DIDでは、この心のバリアーを取り除くことで世界がぐっと大きく広がることを体感できます。何事も頭でわかっていても実際に体験しないと身につきにくいので、ぜひ体験されることをお奨めします!
これからは、異文化に遭遇したら、相互理解の入り口として自分の心のなかでDIDをシミュレーションしてみようと思っています。そんな人が増えるといいですね。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID):
・日程:2005年10月4日(火)~11月23日(水)
※ 11月14日はメンテンスのために休館
・開催時間:平日 12時30分~20時00分 土日祝日 10時30分~19時00分
ガイドツアー:1ユニット(定員各7名・体験時間約1時間) 参加総数:約 5,000名
・会場:旧自治大学キャンパス 東京都港区南麻布 東京メトロ日比谷線広尾駅下車 徒歩5分 >>地図
・前売り券は完売。当日券につきましては、当日の朝以下までお電話下さい。
D-HAUS 会場チケットセンター(03-3440-0539)まで
・DIDは、1989年ドイツのアンドレアス・ハイネッケ博士のアイディアで生まれ、その後、ヨーロッパ中心に70都市で開催、すでに100万人が体験。
・「D-HAUS」は、日本におけるドイツ年にあわせて、2005年10月4日~11月23日に旧自治大学キャンパスで開催される「ドイツ体感スクエア」の名称です。「デザイン」「アート」「ライフスタイル」の3つをテーマに、「いま」のドイツを楽しみながら体感できるイベントです。
※DIDについては、eクルーザーの「NPOボランティア募集」チャンネルにて、掲載させていただきました。レッドクルーズでは、「eクルーザー」の「NPOボランティア」チャンネルではNPOのイベント情報やボランティア募集情報を無料で掲載しております。このチャンネルへの掲載ご希望のNPO活動についてはinfo@redcruise.comまでご連絡ください。いただいた情報を掲載できないこともありますのであらかじめご了承ください。