次世代検索エンジン、システムが頑張ってユーザを楽にできるのはいつ?
海外の検索エンジンが今とても活発な動きを見せています。自分で使ってみて、いくらか思うところがあるので書いてみます。CNETの渡辺聡さんのブログに興味深い記事がたくさんあるのであわせてどうぞ。
検索エンジンと言うとYahoo!やGoogleをメインに使っている方が多いと思いますが、最近ログインして使う「Personal Search」がいくつか登場しています。以下にあげるのは両方英語で書かれていますが、日本語でも検索できます。
- A9(GoogleをベースにAmazonがつくった)
- My Yahoo! Search
使ってみるとわかりますがクリックできる箇所がずいぶん多いように感じます。要するに高機能なわけですが、言い換えると「Personal」な検索エンジンにするためにユーザに負担を強いている、と言えます。
「Personalized Search」というのもあります。Googleが出しています。あらかじめ自分の興味分野を登録しておくと検索結果にそれが反映されます。が、これも「Personalized」にするためにユーザに「登録」という負担を強いています。
これでは、便利になっているのか面倒になっているのかわかりません。
服屋に行って、やたらとアンケートを書かされたりハイテクすぎてわけがわからない構造の店舗では嫌気が差すというもの。物腰柔らかな店員さんが、案内してくれたりしつこくない程度に似合っている服を勧めてくれるのがいい服屋でしょう。
検索エンジンもそれを目指すべきだと思います。あるいはそれが私の考える「完璧な検索」
最初に見える機能は最小限でよく、ユーザの自然な行動の中から使うべき機能に導き、答えを提示する。その答えにユーザが満足しなければもう一度違う方法でやり直す。
オレンジ色の服が好きだからといって毎回同じ色の服を勧められても嫌だし、ときには自分が好みだとは思っていないけれど似合う意外性のある服を勧めて欲しい。そのレベルまで検索エンジンは達するでしょうか?
いい店員さんになるのが大変なようにそういった検索エンジンをつくるには莫大なコストがかかるでしょう。単純に10億人のユーザそれぞれに応じた検索結果を出すのは大変ですし、プライバシーの問題もあります。それだけ高いコストをかけてどれだけの効果、直接的には広告収入、が出るのか疑問でもあります。
PersonalとかPersonalizedと頭につく検索エンジンは、システムが頑張ってユーザに楽をさせる段階ではなく、ユーザが頑張ってちょっと良くなるかな?という段階。
とはいえ、A9などぜひ試してみてください。次世代の検索エンジンの模索中の姿がわかると思います。